国内4カ所(福岡・山口・奈良・岐阜)で行われている実験と実践を通して、新たな技術と障害のある人のしごとづくりを紹介
山口情報芸術センター [YCAM] 協力のもと「お互いを知る」勉強会を開催し、福祉スタッフと技術者・デザイナーが出会う初めの一歩を考えた。その後、参加した施設と大学が協働を始め、ファブラボ山口の協力による機材講習、フィールドリサーチなど福祉と技術のコミュニケーション方法を探る。
3Dプリンタやレーザーカッターで出力するためのデータを制作する技術をもち、自分や世の中にとって必要なものを自らデザインし生みだす「デジタルメイカ―」という仕事をつくりだすことを目指す。課題やノウハウを整理し、市場ニーズへの展開についても考える。
「粘土でつくった創作物を撮影するだけで型をつくりたい」「トイレに入ったら自動で鍵がしまってほしい」など具体的なアイデアを考え、スマートフォンを使った3DスキャンツールやIoTデバイスの体験を通じて、仕事づくりとケア環境の改善の可能性を見い出す。
個性豊かな製品が生まれる一方で、世の中が求める数量をつくれなかった福祉施設にとってデジタル技術は“適量生産”を可能にする。伝統工芸を組み合わせた「新民芸」や地元素材を活用した製品づくりなど具体的なものづくりの事例を紹介する。
協働から生まれた魅力的なしごと・はたらき方を全国から募集し、一次審査を通過した活動を紹介
“動く彫刻”や“吊るすインテリア”と呼ばれる「モビール」。紙と糸でつくられる職人的技術を要する作業を、4つの福祉施設と連携して製作し販売している。
苗に出資をすると、障害のある人が苗を育て、育った花の一部を出資者の大切な人へ、残りを販売して所得を生みだす。企業や個人が関わりやすい仕組みを構築している。
精神障がいや発達障がいなどの理由により、長時間勤務が困難な方が週20時間未満で就業できる制度。 障がいにより就労意欲があっても、その機会を得られなかった方が参加できる新しい雇用システムづくりを 目的としている。
暮らしのそばにある海をテーマにデザインしたトートバッグを制作。1日1枚コツコツ描くなど、アーティストに頼らず施設で自律的に完結できる手法をつくっている。
小さい規模で点在している福祉施設は大きな商機や機会を得にくい。その可能性を、異業種の事業協同組合という福祉の枠組みを超えた連帯のあり方で広げている。
東京・練馬の地で30年間クッキーとケーキづくりを行う手作りの焼き菓子屋。デザイナーとの協働によって、普遍的なものづくりの魅せ方を変えている。
社会就労が難しい発達障害のある学生をフォローする仕組み。障害者雇用のノウハウを持つ企業でのインターンシップを通して、はたらく機会を提供している。
障害のある人の表現活動と、そこで形成されるコミュニティを持続して拡散する方法。アート×デザインによって新しい参画者を増やして活動を広げている。
はたらく場が少ない、農薬や肥料づけになった作物への不安、休耕地の増加、地方衰退という多重課題を、障害のある人が核となって楽しく解決していく。
伝統的な裂き織技術を継承し、地元「さんさ踊り」の浴衣や、メーカーから預かった余り布に織生地として新たな命を吹き込むテキスタイルプロジェクト。
東日本大震災を機に南三陸町のぞみ福祉作業所ではじまった手漉きのリサイクルペーパー。手づくりの風合いを生かし人と人の想いをつなぐプロダクトに。